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雨の似合う写真展

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非常に残念ながら、現在近年まれにみる忙しさに巻き込まれ中。
そして残念ながら一次で試験に落ちた。あー。頑張ったのが認められないって結構しんどい。しかし、同じ轍は二度は踏まない。

泉大悟展
2019年6月22日~7月21日
Monochrome Gallery RAIN
東京都世田谷区池尻 3-6-9
開廊: 展覧会期間中 土曜・日曜 14時~19時
https://monochromegalleryrain.com

 忙しいを理由に逃しちゃうと逃しちゃったままになりそうだったので、初日に行ってきた。
 池尻大橋駅の住宅街の中にある一軒家のガレージを改造して作られた個展会場だった。
 中に入ると写真に明るいご夫婦とその娘さんが丁寧に挨拶して下さり、美味しいコーヒーとお菓子を出してもてなしてくれて、いい雰囲気の写真のたまり場になっていた。
 なんかこういうことできる大人になりたかったなぁーとしみじみ。
 ご夫婦は20代、30代と世界を放浪する旅に出ており、色々なところへ行っている人特有のふところの広さをもっていらっしゃる方だった。割と長居してしまったため2回目に出してもらったお茶を口にすると、私がモロッコへ行ったときに飲んだそのまんまのミントティーだったので驚いた。
 今回の展示は、そんなご夫婦が銀座で泉さんの個展をたまたま訪れたのがきっかけで行われることになったそうで、なにやらいつもと雰囲気が違っていた。
 泉さんに聞くと、今回の写真は全部ご夫婦にお任せしているそうで額やマットのサイズ、写真の並びに至るまで1つも口を出していないそう。他人チョイスという方法って勇気あるなって思ったのと、写真で信頼関係が築ける人ができて心の底から良かったなぁと思った。

 展示されている写真は抽象度がものすごい高いものがズラリ。正直みた瞬間「これはきっついなー」と思った(褒め言葉)。
 抽象度が高い写真ほど見る側の姿勢が試される写真はない。簡単に撮られているようにみえればみえる写真ほど、そう簡単には撮られていないのを自覚してみていかないと、本当にすーっと素通りしてしまう。ただただみて「わからなかった」「つまらなかった」ということになってしまう。時間をかけてみる必要があるし、自分の想像力と精神力が試される。体力ないと結構大変。
 うらやましいことに、泉さんの写真の良さをわかってセレクトされていることが十分伝わる展示だった。
 セレクトが上手いので写真をみて混乱することは、ほとんどなかった。説明的な写真はほとんどなく、記号となるものも極力少なくて、だからこそ「泉さんのやりたいことをそのまんま現わしているんだろうなぁ」と感じられた。他人を入れたからなおのこと、邪魔な部分が排除されている。気持ちの良いくらいの風通しの良さだった。
 とうとう『FRAME』の部分から解放されたんだなぁーという印象も受けた。
 泉さんの写真といえば『FRAME』のチリツモ的な感覚のイメージがついているし、あの方向を好きな人はかなり多いような気がする。まぁ、あれはあれでいいし、これはこれでいい、と思んだよね。同じシリーズでいいから、今度は泉さんセレクトの展示もみてみたい。
 一定のペースを守りつつ撮り続けているから、良縁ができてますます思ってもみないものが出てくるのが楽しみだなぁ。
 人がわいわいいるときではなく、雨で人気が少ないなかでみたい写真展だった。
  残念ながらトークショーにはお邪魔できないけど、土日だけの写真展でも1ヶ月やれると1週間と短い期間よりはみえ方が違ってくるんじゃないかと思っている。












by miyuki-jun | 2019-07-04 23:47 | 展示