手放したものが返ってくる。

最近、すごい勢いでよしもとばななを読み返している。

引っ越しのとき本を持って行くわけにはいかず
置いて行けば自動的に捨てられる運命にあったので
大学まで読んでいた本はほとんど売ってしまった。
貴重な本以外なら手もとになくてもいいと思っていた。
読みたくなったら買い直す自信があったから。
たぶん、今そのときなんだと思う。

読み返して内容を全然覚えていないのに驚いた。
ストーリーが重要な本じゃないんだよね、よくよく考えたら。
そして、悲しみは青で、悲しい情景はみんな青で例えられているのが
なんか鈴木理策的というか写真的だなぁと感じる。
あと、ほとんど終わりばっかりで本当の始まりはあやふやなままだったり
ぼけて表現されてたり、あとから出てくるあたりが実にこの人っぽい。
昔より今の作品の方が好きなのも私の中では特異なタイプの作家だな。
『デッドエンドの思い出』は昔は全然心に引っかからなかったのに
今回初めて「これってすごくすごく悲しい話じゃん!!」と誰かに伝えたくなった。
(いや、だからデッドエンドなんだけど…)
昔の私はいったい何を感じていたのやら…。
こんな素晴らしい本を今までほったらかしに流して読んでいたなんて!


今、人に逢って「何の本持ってる?」って聞かれたら
よしもとばななが鞄から出てきます(笑)
好きだったものをまた手に入れて好きになるのは楽しいことだ。
ことと場合によるけれど
こういうめぐり合わせ、私はわりと好きだな。
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by miyuki-jun | 2009-11-15 23:41 |